証券会社のこれからの変化
国債を発行し過ぎると利子率が上昇し、投資を抑えて景気の足を引っ張るとともに、資本の蓄積が遅れることから、将来世代にもマイナスの影響が出るということがいわれる。
現実に国債が累積して問題となっている平成不況期において、利子率は史上最低ともいえる水準を維持している。
この議論も、失業の存在を無視した〈供給側〉の議論なのである。
国債を発行し過ぎると利子率が上昇するという主張の根拠は、次のようなものである。
まず、国債の供給が上がれば、すべて消化するために、国債への需要が増加しなければならない。
国債への需要が増加するためには、国債の利子率が上昇して、国債が今よりも有利にならなければならない。
こうして、利子率の上昇が起こるというものである。
この議論は正確ではない。
利子率上昇が起こるとすれば、それに関する正しい議論は、完全雇用を前提とする〈供給側〉の次のような議論である。
国債発行により減税や公共事業などの財政支出を行えば、現在世代の保有する資産が増え、現在世代で使い切ってしまう分か増える。
総生産量は完全雇用で頭打ちになっているため、現在世代が食べてしまう分か増えれば、将来世代が将来のために残す分、すなわち投資分が必然的に減少しなければならない。
さらに、投資が減少するためには、利子率が上昇しなければならない。
こうして、利子率が調整されて上昇し、投資が減少する。
以上の議論は完全雇用が前提となっているにもかかわらず、現実の利子率上昇懸念は、平成不況の真直中での国債発行に関していわれているのである。
失業があれば、国債発行と財政出動による現在世代の購買力増大は、余剰資源を使ってまかなうだけであるから、将来世代に残す分を取り上げない。
だから利子率を上昇させて、将来への投資分を減少させる必要がないのである。
このように、景気局面を無視した誤った議論が、せっかく打てる不況期の経済対策を、‐抑制してしまっている。
国債発行による国民の負担と政府の負担これまでの議論から、国債発行の影響をお金の支払いという側面から見れば、将来時点での国債の元利支払いのために、民間から税金を取ってそのまま民間に返すという操作がいるだけであって、完全雇用か失業かを問わず純負担はない、ということがわかる。
また、負担があるとすれば、国債発行によって調達した資金が、好況期に公共事業として使われ、民間の生産活動をクラウドーアウトするという、物の面からの負担であり、これも不況期に使われるならば、生産余力があるから、クラウディングーアウトは起こらない。
ビジネス視点で証券会社があれば全てが解決します。誰もが楽しめる証券会社です。
